【立待岬】 「冷暗所」がほしいです。

昨日北海道新聞の夕刊の道南版「みなみ風」内のコラム欄「立待岬」に載った文章です。今回は、北海道の住環境を八百屋の視点で。

食品の裏書に「冷暗所(れいあんしょ)に保存ください」との記載があります。「冷暗所」とは「温度が低く一定に保たれ、直射日光が当たらない場所」のことです。

昔の日本家屋では、台所の床下収納や、暖房の行きとどかない暗い廊下が、まさに冷暗所でした。しかし、寒さ対策ばっちりの北海道。「高気密・高断熱」の今どきの住宅では冷暗所がありません。

「冷蔵庫=冷暗所」と割り切るのも手ですが、かさばるイモ類など、なんでもかんでも冷蔵庫に入れるのでは無理があります。一方、屋外の倉庫は、零下を下回る冬場は凍ってしまうため、使えません。

また、野菜によって最適な貯蔵温度は変わります。中南米が原産地のさつまいもは、13~15度が最適。里芋は7~10度。どちらも寒すぎると傷んでしまいます。じゃがいもは4~8度がいいとされますが、凍らないギリギリの温度(0~3度)に置くと糖化が進むという特徴もあります。その他、カボチャは12~15度、りんごは0~5度が適温です。

「10~15度」と、「3~8度」の二つの冷暗所があるとうれしいです。最適な野菜の保管場所ができるなら、価格次第ですが、喜ぶお客様もいると思います。

工務店の皆様、リフォームなり、新築のオプションサービスとして検討されてみませんか。保管テスト用の野菜ならご提供します。八百屋からのご提案です。

(八百屋すず辰店主)

コラムを読んだ知り合いの方から、自宅に「冷暗所」を作るのも手だが、プロの八百屋こそ、それぞれの野菜の適温に合わせ、「冷暗所」を完備してほしい、とのメッセージが届きました。

すず辰の店舗は古いアパートの1階なので、真冬は0℃を切るくらいの温度になります。冷蔵庫(5~8度)の方が暖かく、そのまま店舗内に置いておくと、さつまいも・里芋・ミカンは傷んでしまいます。

店舗にこそ、「10~15度」の冷暗所がほしいのですが、それはもう少し稼ぎに余裕が出ましたら、改造したいと思います。当座は毛布や細かい工夫で乗り切ります。

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