適当に、ええ加減に

先日、娘(6)が「保育園に行きたくない!」と言い出しました。「なぜ?」
と思い、聞いていくと「友達とケンカしたくないから」と。どうも読みた
かった本や遊びたかったおもちゃを友達に「貸して」といったのに、貸し
てもらえず取り合いになった(一方的に引き下がった?)ことが続いたよ
うです。特に親しい子らから「ヤダ」とはねつけられたことがショックだ
ったようで、そんな思いをするなら保育園に行きたくないと。小さないざ
こざの度に休んでいてはしょうがないので、いろいろ言い聞かせて2階に
ある教室に連れていきましたが、私が帰ろうとすると一緒に保育園の玄関
先までついて来てしまう始末。仕方ないので、職員室にいたベテランの先
生のところに連れて行くと、すぐに察した先生が娘に用事を言いつけてく
れました。娘が先生の用事をしに行った合間に事情を話すと。「わかった。
様子を見て、必要ならば職員がフォローするよ」と言ってもらいました。

翌日、娘の担任の先生に会ったとき、「話は聞きました。気をつけて対
応しますね」と言われたのですが、なんか気負いのようなものを感じたの
で、「適当にお願いします」といったら、ちょっとびっくりされました。

娘が友達とのやり取りで悩んでいたのは事実ですが、人との感情のぶつ
かりあいも成長の一過程だと考えれば、あまり大人が何でもかんでも割り
込むのも考え物です。ただし、状況によってはちょっと間をとってもらっ
たり、一言かけてもらえば済むことかなと。そういう意味で「(気負わず)
見守る感じでいいですよ」というつもりで「適当に」といったのですが、
言葉の選択が「テキトー」すぎたのかちょっと伝わらなかったかなと反省
しました。(ちなみに娘はその後元気に園に通っています)

でも「適当に」って結構使ってしまいます。悪い意味では「いいかげん」
となりますが、本来は「ある条件・目的・要求などに、うまくあてはまる
こと。程度などが、ほどよいこと。」を指します。そもそも「いいかげん」
も「ええ加減にせい!」と言ったら、関西では突込みになりますが、「ええ
加減やなぁ」と湯船でいえば「よい塩梅(あんばい)」ってことです。海外
の人が聞いたら「どっちやねん」と突っ込まれそうですが、なんともいえな
いあいまいさが日本語らしくて好きですね。

このブログも、お店でお客さんに配布している「週刊すず辰」というチラ
シの『ちょっとまじめな話』というコーナーからの引用が多いのですが、こ
の「ちょっと」ってところが絶妙で「真面目」すぎず、でも八百屋として店
主がお伝えしたいことを「ちょっと」なさじ加減で柔らかくわかりやすく、
できれば面白くお伝えするのが肝なので、「ええ加減」で書けるかどうかは、
ちょっと肩の力を抜けるかどうかが大切だったり。
ってことで、「適当」な力加減、大事ですね。

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