「追悼、やなせたかしさん」

去る10月13日、絵本やアニメで子供に人気のアンパンマンの作者、やなせ
たかしさんが94歳でお亡くなりになりました。ご冥福をお祈りします。

アンパンマンとの鮮烈な出会いは、ひょんなことで子供に購入した、
「アンパンマンのベストソング集」の付録の冊子を見てびっくりしたこと
でした。長女が小さいころからアニメを見ており、傍らで何の気なしに見
ていたのですが、歌詞を意識したことはありませんでした。ちゃんと読ん
でみるとなかなか深く、子供より大人に響くような言葉の数々でした。

例えば、次のブログに紹介している『アンパンマンのマーチ』。アニメの始ま
りの歌ですが、
「なんのために生まれて なにをして生きるのか
こたえられないなんて そんなのはいやだ!」
ですよ。さらに
「たとえ胸の傷が痛んでも」
って。これ子供向け?と思わず思ってしまいました。作者のやなせさんご自身が
作詞されているそうで、「子供だからと言ってわからないと考えず、直球で作詞
した」とのこと。実はやなせさんアンパンマンを手がける前にも歌の作詞をされ
ていて、有名な「手のひらを太陽に」の作詞も手がけています。

次の『アンパンマンたいそう』なんて
「もし自信をなくしてくじけそうになったら
いいことだけいいことだけ思い出せ」
「大事なもの忘れてべそかきそになったら
好きな人と好きな人と手をつなげ」
「楽しいこといっぱい でもさびしくなったら
愛すること愛することすてないで」
、もうこれだけ知ってればどんな苦難も乗り越えられる、そんな歌です。

実はやなせたかしさんの弟さんは海軍に志願し、戦場でその生涯を閉じ
ました。さらにやなせたかしさん自身も戦中・戦後の食糧危機に直面し、
非常に辛い思いをされたそうです。このような経験から生まれたヒーロー
、それがアンパンマンです。腹ペコな人に自分の顔(アンパン)を食べさ
せるアンパンマン。そうすることで、自分の力が弱くなり危機に陥ってし
まうものの、最後は仲間と愛と勇気で乗り越えていくアンパンマン。

やなせさんは50代でアンパンマンを生み出し、アニメ化が69歳の時(昭和63
年)。70~80歳で大ヒット。見事に遅咲きの方で、「人生、90歳からがおもし
ろい!」って本も出してます。いろいろエッセイ本や詩集もある、素敵な人
生の大先輩です。

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