
昨日3/24(金)に、北海道新聞の夕刊の、道南情報誌「みなみ風」のリレーコラム「立待岬」に載った文章です。久々に八百屋らしく、野菜のネタを書いてみました(笑)
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春先に入り、ホクレンさんの「よくねたいも」のCMがテレビで流れるようになってきました。
一般的にジャガイモは冬の間、寒さで凍らないようにするため、防御反応としてイモの中のでんぷんを糖分に変えます。結果、甘くなるのですが、「よくねたいも」はCA貯蔵という技術で、イモの発芽と呼吸を抑え、より強いイモの甘みを引き出します。雪の下に埋めて貯蔵する、大根やキャベツも凍らないように甘くなります。
雪国である北海道ならではのおいしさで、ほどよいほくほく感といもの風味に強い甘みが乗って、函館に来た当初はびっくりしました。でも、このおいしさ、関東圏の消費地では体感できません。
函館と東京のこの時期の気温を比べると約10度もの差があります。温度が上がれば、凍る心配がないのでイモの糖分は必要なくなり、呼吸などで消費されてしまいます。せっかく甘くなっても、雪の下や、貯蔵庫から出した瞬間から甘みは落ちて行ってしまうのです。
スーパーの陳列でも、ジャガイモは通常は常温のまま棚に置かれます。「よくねたいも」の袋の裏書を見ると「冷蔵」を促す表示がありますが、考慮されていないのが現状です。
ジャガイモ含め、「よくねた(越冬で甘くなった)野菜」は冷蔵庫に。甘みがいくらか長持ちし、おいしいまま食べられます。
(八百屋すず辰店主)
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温度変化に伴う、イモの中の糖分変化については以下のグラフを紹介しています。
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