【立待岬】 味覚も成長するのです

昨日7/13(月)の北海道新聞の夕刊「みなみ風」内のコラム欄「立待岬」に載せていただいた文章です。

先日、縁あって函館水産高校で野菜の授業をさせていただきました。

取り上げたテーマの一つが「野菜の好き嫌い」。

皆さん、子供の頃から嫌いな野菜って何かありますか?

私、今では八百屋をやっていますが、幼いころは結構な野菜嫌いでした。

ピーマン、卵焼きに入ったねぎ、らっきょうなど苦手な野菜が盛りだくさん。

我が母は、子供の好き嫌いに合わせて料理するような人でなく、出されたものはとにかく食べるが家庭のルール。

鼻をつまんだり、水で飲みこんだりと涙目になりながら食べていたのを覚えています。

しかし、今では喜んで嫌いだった野菜を食べ、人に勧めています。

これってなぜでしょうか。

子供が嫌いなものとしてよく挙がるのが、ピーマンなどの緑色の野菜です。

実は緑色ってまだ熟していない色なのです。

植物としての野菜は、種を運んでもらうためにおいしい実をつけます。

ただし、熟す前に食べられては困るため、未熟なうちはおいしくないのです。

苦みがあったり、渋かったり。

子供が緑の野菜をおいしくないと思うのはある意味、生物として自然な反応です。

山菜のえぐみなんてまさに「大人の味」なのです。

身体の成長と共においしさも変わってきます。

ぜひ大人になったら嫌いなものにチャレンジを。

せっかくなら、よりおいしいものをというときは最寄りの八百屋にご相談くださいませ。

(八百屋すず辰店主 鈴木辰徳)

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