
【週刊すず辰364号より抜粋】
りんごの品種といえば?、と聞かれたら皆さんは何が思い浮かぶでしょうか?
「フジ」「王林」「つがる」「紅玉」「ななみつき」…
りんごといえば“フジ”が定番ですが、これは“食感はシャキシャキした方が好き”という方が多い中、食感がぼけにくく、安定してしている“フジ”に人気が集まるからです。
八百屋的には、「フジはどんな農家さんが栽培してもそこそこおいしくなるから普及しているのかな」と思っています。
一方で“おいらせ”という品種は、旬が短く、収穫後1週間もたたないうちに食感がぼけてしまいます。ただし収穫直後は、ちゃんとシャキシャキの食感を持ち、蜜がたくさん入り、まるでパイナップルのような濃厚な甘さを楽しませてくれます。
しかし、楽しめるのはよくて1週間。中には、「柔らかくなってからの方が洋梨のようでおいしい」という方もいますが、「食べごろ」が限定されるのでなかなか市場には出回らない品種です。
しかし、これっ!、て時に食べるとめちゃくちゃおいしいです。
店でお客さんにりんごの好みを聞くときは、「食感」と「甘み」「酸味」の3つを聞くようにしています。
とにかくシャキシャキの食感じゃないと許せないという方。
甘いのは好きだけど酸味は苦手という方。
逆に甘みより酸味がしっかりしたのが好きという方。
好みは人それぞれ。何をおいしいと感じるかはその人の好み次第です。
我が長女(12)。
とにもかくにもシャキシャキの食感重視。
先日も早生フジ〔フジの枝替わり品種でフジの出回りより早く出てくる。本家フジより少しシャキシャキ感は落ちる〕の「昂林(こうりん)」と、上記「おいらせ」に似た「ひめかみ」という蜜たっぷりの甘酸っぱい品種を食べさせると、あっさり「昂林」に軍配が!
逆に店主は酸味好きで、甘いだけでなく酸味がある奴が好きで、食感はそれほど重視しません。
まだ食感がある「ひめかみ」を改めて娘に食べさせてみましたが、「食べられるけど、前の〔早生フジ〕の方がいい」とのコメント。
蓼食う虫は好き好き。やはり好みは人それぞれ。
良かったら、お店で自分の好みをおっしゃってみてください。想いもよらぬ美味しさに出会えるかもしれません。
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