世界料理学会 in HAKODATE 道南食材見本市

久々のブログです。

昨日、4/24(火)世界料理学会 in HAKODATEの2日目に同時開催された
「道南食材見本市」に出展してきました。

世界料理学会は、世界中の新進気鋭の料理人たちが函館につどい、
料理人としての料理哲学、調理技術等を熱く語る会です。今年、函館
での開催は3回目を数え、ガスバリ(クラブガストロノミーバリアドス)の一員でも
ある私もスタッフの一人として初回からちょこちょこお手伝いしていました。

で、「道南食材見本市」。世界、日本のトップシェフたちに、道南の食材
を自慢してしまおう!っていう展示会です。商談会よりも自慢大会。選ばれた
出展者も、ガスバリの料理人中心に独断と偏見を恐れず、熱く推薦し、勧誘
して出展してもらった方々。すず辰は、春の農作業が忙しく(今年は雪解けが
遅く、作業が特に遅れている)来たくても来られない農家さんの代理人として
ブースをいただき、出展となりました。

持ち込んだものは以下の通り。説明文は当日使用した資料から。
・松本久さん(七飯町)の野菜いろいろ
松本さんの野菜本来の力を引き出す農法は、有機栽培と自然農法の良さ
をいいとこ取り。6月、10月のピーク時は、何十種類もの野菜がところ狭しと畑を
彩る。「あっ、今踏んでるのは〇□△だよ」といわれるほど、思わぬ発見が出てく
る宝箱のような畑。シーズンの先陣を切る野菜たちをご笑味あれ。

・木村政雄さん(厚沢部町)の越冬メークイン&山ごぼう
厚沢部町発祥の「メークイン」。越冬したメークインは、でんぷん質が糖化し、強烈な甘みは
今しか味わえないおいしさ。(3-4月)
山ごぼうは、厚沢部で20年以上の栽培されている隠れた名品。ごぼうのような強烈な
香りでなく、バランスよく香る、土の風味。食物繊維も豊富で女性にも嬉しい山の幸。マリ
ネ、スープ、煮込み料理、フリット(西洋風てんぷら)でどうぞ。
木村さんは、厚沢部で知る人ぞ知る先駆者。先陣を切って新しい品目にチャレンジし、
地域の産物を生み出している。

・岡田浩幸さん(北斗市)の軟白ねぎ
北海道北斗市にて編み出された栽培方法で生まれた「軟白ねぎ」。通常の長
ねぎに比べ、白根が長く、軟らかく甘みが強い。(2~8月)
岡田さんは、黒毛和牛の繁殖および米の栽培も行っており、牛糞、稲ワラ、籾な
どで自家製堆肥を作り、土作りに生かしている。豊な土で年1作を守り、通常L中
心の収穫になる農家が多い中、2L、3Lと太くておいしい軟白ねぎを作り続けている。

・宮上隆義さん(知内町)の一番ニラ
ニラの中でも、冬を越して、寒さの中じっくり育った「一番ニラ」は、肉厚で甘み・
旨みが一年で一番強くおいしい。(2~4月)
宮上さんは、知内ニラの第一人者。本人は何もこだわっていないといいながら、
なぜか「物が違う」との評判多数。基本に忠実に、手を抜かない「当たり前」の栽培が
その品質を支えている。

・清水千万幸さん(北斗市)のお米たち
近年評価が高い北海道米。「ゆめピリカ」を筆頭に、道南では「ふっくりんこ」と粘り・旨
みと米どころの北陸・東北に引けを取らないおいしさ。
清水さんは道南でもいち早く、GAPを取得。JAS有機で野菜を栽培するとともに、米は
特別栽培にて、安全とおいしさを追求している。今回ガスバリと共同で、昭和のお米「マツ
マエ」復活にも一役買っている。

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11時半の開場から、どんどん人が押し寄せ、日本人シェフだけでなく、海外からの招待
シェフも来場され、果敢に試食をお勧めしました。片言の英語と、通訳さんのお力を借り、
越冬メークインの素揚げや松本さんの野菜サラダ、焼いた軟白ねぎなどを食べていただきま
した。越冬芋の甘さをつかみに、松本さんの「畑の香りがする」野菜たちで気を引き、かつ
ルッコラや小松菜の花を食べていただき(葉物野菜の花は、葉っぱ以上にその野菜本来の
味がしておいしく刺激的)、スペインでも花を食べると教えてもらったり。アメリカのトップシェフ、
グラン・アケッツさんにはわざわざ待っていただいて、水洗いした山ごぼうを生でかじって
いただきました。(「このシャキシャキ感がいいね」といったことを言っていただいたり。)
八百屋として、すず辰がこの人の、この野菜たちなら!、と思っていたポイントが、世界・
日本のトップシェフに通じ、大変感動であり、自信になりました。

午後15時頃には、生産者の松本さんが来場され、NHKさんの取材のもと、スペイン人の
シェフ、イネェキ・ロドリコさんに直接ご自身の野菜を紹介する一こまも。春菊を生で勧めた
ときには、葉っぱの形をみて、シェフが「スペインでは花を食べるけど、葉っぱを食べるのかい
?」とちょっと驚いたご様子。(食用菊のようなもの?) でも食べてみると、「おいしいね」との
ご評価。他の野菜もどんどん勧める松本さん。紫アスパラが評価が高く、「種はどうしたら
手に入るか?」とシェフから質問されていました。最後は、シェフから松本さんにご自身のお店
のバッチが贈呈。世界のトップシェフに道南の農家さんが認められる瞬間でした。NHKさんが
ばっちり撮影していただいたので、きっと夕方のニュースで流れたのでしょうが、まだ未見です。
(今度DVDに焼いてもらえるので、松本さんと見るのが楽しみです。)

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松本さんが「本当にうれしい!」と満面の笑みで誇らしげにバッチを掲げている姿にこちらも
感動しました。(それにしてもいいなぁ。作り手の特権ですね。)このあと、松本さんが我らが
ガスバリリーダー深谷シェフと10数年ぶりに再会されたり。

すず辰としても、農家さんの代理人として、札幌のカフェやレストランの方から、営業のお話を
いくつかいただけ、有意義で、かつ刺激的な時間でした。山ごぼうが根強いファンの方がいる
ことがわかったり、越冬じゃがいものポテンシャルを再確認したり。やっぱり直接食べる・調理
する方々との交流は刺激的です。開場に出展されていた他の方々ともご挨拶をして、新たな
ネットワークもできました。お店をもった暁には、ぜひお取引したい商品がいっぱいの、道南の
宝箱のような見本市でした。

追伸:大学の研究室の後輩の桑崎くんが就職している、香川の鎌田醤油の子会社、鎌田きのこ
の方々とご挨拶できたのもうれしい偶然?でした。北海道産で唯一のマッシュルームを製造し
ているところです。すず辰のマルシェでもスポットで販売します。

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