京野菜のおいしさの秘密を探りに

『京野菜』。

知る人ぞ知る、数少ないブランド野菜です。京都の限られた地域
で昔から定着し、種取りされてきた個性的な野菜たち。マルシェで販売
してきたのは、「賀茂なす」と「万願寺とうがらし」、最近だと「
聖護院だいこん」。京都の料亭で京料理の食材として長年親しまれ
てきたもので、とにかくおいしい。賀茂なすは、なすの女王様とい
った趣で、田楽や揚げびたしにすると、その肉質のきめ細かさと上
品な甘みで思わず口がほころぶおいしさ。万願寺とうがらしも、と
うがらしと言う名とは裏腹に辛みはなく、焼いたり、炒めたりする
と旨みが出て結構はまる方が多かった一品。じゃことの炒め物なん
か簡単だけど素敵なおつまみです。

最近だと種が出回り、七飯の直売所で万願寺とうがらしを見かけま
すし、賀茂なすも郡山の野菜博士、Sさんが作っていたのですが、どち
らも食べ比べると明らかに元祖京都がおいしい! ここまで違うかって
くらい味が違うんです。「おいしいけど、高いよなぁ」と思っていたので
すが、ブランドになるだけの底力をつくづく感じたのです。

そこで浮かぶのが「なぜこのおいしさが生まれているのか?」 単
純に考えると、まず種が販売されているものでなく、自家採取で力が
あること。もともと京都の環境に適応した品種たちなので、京都だか
らこそ出る味がある? 次は農家の技術の差。といっても郡山のSさん
もなかなかの方。うーん、とうなって行き着いたのが「土の違い」。長
年培ってきた(おそらく)有機主体の土作りの中で、京野菜のおいしさ
を支える豊かな土があるのではということ。例えば、ねっとり甘くて有
名な種子島の安納芋も、本土(鹿児島)や他のところで作ると本来の味
(甘み)がでないのです。また、地元のフレンチのシェフ曰く、本場の野菜の味
を再現したくて、フランスの種を日本に持ち帰り、知り合いの農家に作って
もらっても土物はどうしても味が再現できないって(葉物類に比べ、土物
の方が育つのに時間がかかり、土からの影響を受けやすい。)どちらも
共通するのは環境の変化、特に土だと思っているのですが。でもこれは
すべて推量です。これはもう行ってみるしかない!

ってことで、店頭販売終了後の11/20、京野菜のおいしさの秘密を
探るべく、農家さんを回ってきます。ガイドしていただけるのは母校、
京都大学の植物栄養学の間藤教授。さてさて現場でどんな出会いがあり
ますやら。乞うご期待。
詳細は「隔週刊すず辰にて」(ファックス&メール会員まだ募集中。ブログでも
書きますけどね。)
【週刊すず辰30号より加筆修正】

コメントは利用できません。

全国発送を承っています

店主の勝手にセレクトセット