「わたしと小鳥とすずと」

金子みすゞ童謡集

山口は下関での小学生時代(小1の2学期から小5の1学期まで下関の名池小学校に通っていました)、「好きな詩」を選んでくるという課題がありました。そこで、私が選んだ詩。

「金子みすゞ」の「わたしと小鳥とすずと」。

わたしが両手をひろげても、
お空はちっともとべないが、
とべる小鳥はわたしのように、
地面(じべた)をはやくは走れない。

わたしがからだをゆすっても、
きれいな音はでないけど、
あの鳴るすずはわたしのように、
たくさんのうたは知らないよ。

すずと、小鳥と、それからわたし、
みんなちがって、みんないい。
(金子みすゞ童謡集(JULA出版)より)

小4か5の時だったと思いますが、同級生の女の子に軽くからかわれた記憶も(笑)。我ながら、男の子らしからぬ選択ですが、今あらためてこの詩を思い出します。

最近、農家さんの話をする機会が続き、その中で「森の生態系」の話をします。落ち葉が地面に落ち、虫がその葉を食み、さらに微生物が分解して、土の一部になります。多様な生物がいることで生態系全体でバランスを取り、一部の生物が増えても、天敵などの作用で時間が経つと元のバランスのとれた数に収まります。一方の野菜を育てる畑は栽培する野菜のみを茂らせます。結果、虫や病気が発生すると広がりやすくなっています。生産の効率を追った結果、生態系としてはかなり単純で脆弱な体をなしています。なんとなく今の社会を思い起させます。

いろんな人がそれぞれの役割を演じつつ、多様な幸せが共存できる社会であればと思う今日この頃です。

金子みすゞ童謡集

思わず衝動買いしました。実家に同じのが残っているかも。
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