森は海の恋人

「森は海の恋人」って言葉を聞いたことがあるでしょうか。森と海を
つなぐ川、そしてその川を通じて海へ流れ込む森のミネラル分。このミ
ネラル分で、近海に海藻が繁茂し、身を隠すため、海藻を食べるため、
産卵のためにと、様々な生物が集まります。その生物たちを狙って新たな
魚が集まります。また、海藻の茂る浅瀬は、様々な魚の稚魚や幼魚が育つ
場所でもあります。そのため漁師さんが山に植林をする活動も行われてい
ます。すず辰で販売している「椴法華産 窯焚き海水塩」も海流に運ばれて
きた海のミネラルとともに、椴法華の豊かな森から供給される森のミネラ
ルがはぐくんだ海水から産まれています。

そんな森と海の関係を断ち切ってしまうような施策が実行されようとし
ています。それが「防潮堤」。巨大津波には巨大な堤防で対抗するという
ことですが、三陸海岸全体を巨大な堤で覆ってしまう勢いです。これでは
まさに森と海を分断し、その産物である磯や浜辺をなくし、ついては海の
環境を壊しかねません。また、堤防への予算がすでについたものの、津波
時に地元の人が有効に非難するための道路(避難道)の建設にはなかなか
予算がつかないとも聞きます。これに対し、震災の被害が大きかった港町、
気仙沼にて、法案の見直しを求める署名活動が始まっています。店主が卒
業しました、京大農学部の田中克名誉教授が発起人の一人になっており、
知人が田中先生の教え子と言うこともあり、今回の活動を知りました。
http://seawall.info/で署名活動へのリンクがあります。(店主は署名しました。)

原発施設など一部ではがっちりとした巨大な防潮堤は必要だと思います。
しかし、三陸海岸はキザギザに入り組んだ入り江が多く、その地形、住んで
いる方々の生活様式によってどう対応するかはまさに現場の知恵が必要で、
一律に巨大堤を作ればよいというものでもないと思います。

そもそも、何十年に一度の災害に対し、がっちり対応したために、日々の
生活の場(漁場)である海の環境が壊れてしまったのでは本末転倒です。も
っとしなやかに知恵に富んだ、したたかな対策が現場で生まれて行けばなぁ
と思う店主でした。

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