データ発見! やっぱり甘さ激減でした。

じゃがいもの糖度

先日、書きました以下の記事。
(まだ読んでいない方はまずお読みください。)

「よくねたいも」は起こさない。

低温で長期貯蔵したじゃがいもがでんぷんの糖化が進み、甘いものの常温に戻すと
甘みが下がってしまうという話でしたが、ちゃんとした実証データを見つけました。
(というか、論文のありかを教えてもらい、ついに論文の写しを手に入れました。)

で、問題のグラフがこちら。

 

「日本食品科学工学会誌 第62巻 第1号 2015年1月」の50-55ページに載っている、
「生食用ジャガイモ品種の低温貯蔵による糖含量の増加特性」という研究の図4です。

収穫後2℃に貯蔵した「インカのめざめ」というじゃがいもの貯蔵期間に伴う、糖含量の変化を折れ線グラフで示したものです(●印を見ると貯蔵とともに糖含量が増えて行っているのがわかります)。

途中、貯蔵後41日後と180日後に一部のサンプルを取り出し、20℃で4週間おいてみたのが▲印の折れ線。

20℃に置いたことで急激に糖含量が減っていることがわかります。

こんなに糖含量が減ってしまっては、感動の甘さを味わってもらうことができないのもうなずけます。

ちなみに、○印は、一旦20℃に1週間置いた後、4℃で3週間置いた場合の芋の糖含量の推移ですが、少しだけ糖含量の増加(回復)が見られます。

低温による糖化が改めて起こったのでしょうが、当初の糖含量ほど増えないのは、常温下でせっかくの糖分が呼吸等で使われてしまった(そもそも糖の元になるでんぷんが分解されてしまった)ためのようです。

【現状】 低温貯蔵によるいもの糖化 → 常温による輸送・販売で糖度減少

【理想】 低温貯蔵によるいもの糖化 → 低温輸送 → 冷蔵陳列
→ 試食でのおいしさの周知&冷蔵庫保管の必要性の啓蒙

ここまで実感からも、データからも実証できたからには、やはりもったいないなぁ、どっかで販売実験しないですかねぇ。

昔の知り合い経由で探ってみましょうか。さて。

コメントは利用できません。

全国発送を承っています

店主の勝手にセレクトセット